※ASBの電子ブックについて
電子ブックは紙の雑誌(紙版)と基本的に同じ物ですが、付録が付かない、読者プレゼントに応募できないなど、一部内容が異なる場合があります。また紙の雑誌のレイアウトを流用しているため、画像の重複や見開きの絵柄のズレなど、見え方に不具合が生じているページが存在します。バックナンバーは、紙版発売当時の記事が掲載されています。現在の情報とは異なる場合があります。一部原本からスキャニングしたページには、多少の汚れなどがあります。発売後、内容の一部もしくは全てを更新することがあります。あらかじめご了承ください。
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電子ブック内容
<祝辞>
ロードレースは、 選手の表情が見えないスポーツと言われます。 とは言え、 レーシングスーツ越しに見えるライダーの動きや、 ヘルメットの傾き、 シールド越しのわずかな目線から、 狂気のスピードで移動しながら戦っているライダーの顔と、 魂を感じることができます。
石田二郎は、 こういったライダーの動きや表情をフィルムに焼き付けるプロのレースカメラマンです。 時として、 誰が勝ったのかという、 レースの本来の目的となるカットは撮りません。 石田二郎が撮りたい、 負けたライダーを追い続け、 顔の見えないヘルメットシールドの内側にある、 悔しい思いでいっぱいの眼光が想像できる写真を撮ります。
また、 石田二郎が切り取る、 ヘルメットを被っていないライダーのカットには、 格別な表情が表現されています。 笑顔、 不安、 怒り、 安堵……。 ロードレースがヒューマンドラマであることを改めて感じる写真たちです。
インターネットの普及で、 ロードレースの写真も即物的なカットが求められています。 ホイールが止まっていようが、 背景が止まっていようが、 フルオートで超高速シャッターで撮れば、 素人でもそれなりのレースシーンを撮ることができますし、 今はそれで十分という風潮があります。 この写真集は、 そう言った現代へのアンチテーゼとも思えます。 アナログ感たっぷりの一枚の写真に、 見る人なりの多くのストーリーが流れています。 MotoGPがグランプリサーカスと呼ばれていた古き良き時代のロードレースを、 じっくりと楽しんでください。
「RIDING SPORT」編集長 青木淳