F1を頂点とするフォーミュラレースへのステップアップ経路として最もメジャーとなったレーシングカート。国内レースの状況を見ていても、活躍中の若手レーシングドライバーの多くが全日本カート選手権を経ている。ここでひとつ気付いたことがある。ほぼ例外なくそのドライバーたちが、フォーミュラにおいても全日本時代と同じような戦い方をしているのだ。スピードで圧倒する者、追い上げ型で混戦に強い者、ハートの強さで戦っている者……。全日本のレース展開がそのままフォーミュラでも展開されており、ドライバーのキャラクターはカート時代に完成すると表現しても過言ではない。

そして、そこからレースでライバルと戦うということの本質と、4つのタイヤから最大の効率を引き出し速く走る方法論について、カートとフォーミュラレースは共通している、という結論を導き出すことができる。尻の下4cmで流れる景色、ステアリングレシオ1対1のダイレクト感、慣性重量の少なさによって生まれる圧倒的なコーナリングスピード。F1にも通じるマシンと一体となって走ることの喜びを手に入れよう。

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